26年卒以降は、春休み以降に実施されるインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムのタイプ3にあたる「専門活用型インターンシップ」において、インターンシップで取得した学生情報を、卒業・修了前年次の3月以降より採用選考活動に使用できる、という新しい取り組みが可能になります。
実際にインターンシップに参加した25年卒の学生に聴取すると、「商品販売や開発設計など具体的な実務について深く知ることができた」「社員からの具体的なアドバイスやフィードバックによって、業務に対する自身の適性を試せた」という声も挙がっており、深い業務理解へと繋がっているようです。
インターンシップを通じた
自分らしい選社基準づくりが重要に
企業の採用意欲の高さから、選考が早期化していることで、卒業前年の早いタイミングで内定をもらう学生も増えており、インターンシップは今後ますます「就職先を決定する上で重要な機会」となっていくことが予想されます。
しかし、インターンシップに参加する目的は、決して早期選考の機会を得るためだけではありません。自分がやりたいことは何か、何に向いているのかなど、業種や職種と自分との適性を見極めるために、いろいろな企業を比較検討していく。そんな機会としてインターンシップを活用することは、自分が納得できる “選社基準”を作る上で多いに役立つはずです。
26年卒においても前年から引き続き、学生優位な状況であることが想定されます。学生への追い風が吹くからこそ、「複数社から内定をもらったものの、何を基準に最終進路を決定すればいいのかわからない」と悩みを深める学生も少なくありません。
就職活動は内定がゴールではありません。「自分らしく働ける場所」だと思える一社で、入社というスタートを切れるように、インターンシップなどを活用して企業理解・自己理解を深めていくことが、ますます大切になっています。
企業の規模や知名度といった、世の中基準の物差しだけではなく、自分の「強み」や「らしさ」が発揮できる仕事・職場なのかどうかという自分基準の物差しでもって、最適なファーストキャリアを見つけていってほしいと思います。
(リクルート就職みらい研究所所長 栗田貴祥)