亡くなった方に借金がないことを証明するのは簡単ではありません。クレジットカード系のローンであればCIC、消費者金融系であればJICC、銀行系であれば全国銀行協会へ照会をかければ、亡くなった方に借金があるかどうかを調べることができます。
しかし、亡くなった方が誰かの連帯保証人になっている場合、その有無を照会できる機関はありません。「借金はないだろう」と思って相続したら、実は、親戚が経営する会社の連帯保証人になっており、ある日突然、相続人に多額の借金の督促が届く、なんてことも現実に起こっています。
「借金のない人」が今すぐすべきこと
借金がないことの証明を、家族が行うのは難しいですが、当事者であれば簡単にできるはずです。負の遺産がない方は、ノート等に「20XX年X月時点において、私に借金などの負の遺産は一切ありません」と書いておきましょう。
この一文があるだけで、家族は安心して相続手続を進めることができます。
現在、借金などがある方は、誰から、いくら借りているのかをわかるように記載しておきましょう。仮に借金があったとしても、トータルでプラスの財産のほうが多ければ、相続人たちは、相続放棄せず、負の遺産も相続して、あなたの代わりに返済することを選択する可能性が高いです。
ちなみに、相続放棄を行う人は増加傾向にあり、2009年時点では約15万件だったものが、2023年時点では約28万件となりました。故人の遺産を少しでも自分のために使ってしまうと、その相続人は相続放棄をすることができなくなります。故人の遺産の管理には細心の注意を払いましょう。
年末年始、終活や相続について家族で話し合う際、ぜひ参考にしてください。
(本原稿は『ぶっちゃけ相続 お金の不安が消えるエンディングノート』を一部抜粋・追加編集したものです)