学者・研究者として
活躍する卒業生たち
大阪市天王寺区の文京エリアの一角にある。中高一貫の私立男子校で、仏教を基盤とした教育を実践している。難関大に多数の合格者を出す一方、体操などスポーツの強豪校としても知られる。
メディアや論壇に、よく登場する気鋭の学者がいる。東京工業大(現東京科学大)リベラルアーツ研究教育院教授で政治学者の中島岳志(たけし)だ。2005年に『中村屋のボース』(白水社)で大佛次郎論壇賞とアジア・太平洋賞大賞を受賞、一躍その名が知れ渡った。さらに、『「リベラル保守」宣言』『超国家主義』『自民党 価値とリスクのマトリクス』『思いがけず利他』などの話題作を次々と出した。
清風高校を経て大阪外国語大でヒンディー語を専攻した。京都大大学院博士課程を修了し、学術博士(地域研究)になった。その後、北海道大准教授―東工大教授という経歴だ。
象牙の塔にこもるタイプではない。テレビの報道番組のコメンテーターや新聞の書評委員なども務めている。文才もあり、その著作は一般にも親しまれている。
文系の学者では、経営学者、証券アナリストで、東京理科大教授の青木英彦がいる。2024年春にアパレル大手のワールドの社外取締役・取締役会議長に就いた。
スポーツ運動学が専門で大阪大谷大教授の三木伸吾、学際情報が専門で広島大准教授の池尻亮平らもいる。
理系では、量子情報科学者で京大教授の竹内繁樹、知能ロボティクスを研究している大阪公立大准教授の辻岡哲夫、機能性無機材料の合成と設計に関する研究を行っている京大教授の藤田晃司、超精密製造科学分野の研究者で東京大教授の三村秀和らが、清風高校の卒業生だ。
さらに、システム情報系の筑波大教授・黒田嘉宏(よしひろ)、ライフサイエンスの京大准教授・村上一馬、機能材料開発の京大助教・薮内聖皓(きよひろ)らもいる。
権業善範(ごんぎょう・よしのり)は、代数幾何学を専門とする数学者で、東京大大学院数理科学研究科教授だ。清風高校2003年卒―早稲田大理工学部―東大博士課程修了という経歴だ。高2のころから「将来、数学者になる」と志していたという。