近年、携帯電話にも営業電話がかかってくることが増えました。

 イベントか何かで名刺交換をしたことをきっかけに、その会社の営業の方から携帯電話に直接営業電話がかかってくることも少なくありません。次からは携帯電話にかけないでくださいとお伝えしますが、それくらいならまだ「どの会社も営業は必死にしているんだな」くらいに感じられます。

 しかし、先日かかってきた営業電話にはモヤっとしてしまいました。携帯電話に知らない番号から着信があったので出てみると、「とある会社の、Cさんからご紹介があり、お電話しております」と言うのです。

 取引もなく、交流もない会社の社長から紹介されて電話をかけていますと言われると、関係値(そもそも紹介元と言われている方とは関係値といえるものはないですが)を転用されていると感じてしまいます。きちんとした人であれば事前に、「こういう会社が営業したいと言っているので、つないでいいですか?」とお断りをいただくはずです。

 なんだかとても嫌な気分になりました。名刺交換したデータを勝手に転用された結果、こんな時間の奪い方をされる……。きっと私一人に行っていることではないのだろうと思うと、余計に腹立たしかったです。

 そういった会社がどんなにいいサービスを提供していたとしても、使う気、いや、検討する気にもなりません。会社の信用問題にもつながります。この営業方法でアポイントを得られたとしても、それ以上に大きなものを失うはずです。

冷静で温厚な人が怒る時は
本人や周りの人のためを思っている

 きっと誰しも、怒りたくないと思います。怒るって体力を使うし、嫌われるかもしれない。ハラスメントを指摘されるリスクも伴います。

 ただ、目の前の仕事に本気で取り組んでいる人や思いを持っている人ほど、裏切られたときには怒りを覚えるものだと思います。私がこれまで見た「優しい上司・同僚が怒ったシーン」に共通するのは、自分が我慢すれば済むことではなく、周りの人にも被害が及ぶかもしれないと感じた、そして、信頼して仕事を任せているのに、無責任さを露呈された出来事だったことだと思います。

 そして、いつも冷静で温厚な“仏のような”人こそ、「怒ること」を戦略だと捉えている面があると思います。対象者本人だけでなく、チームや会社全体の指揮を高めていこうと考えているはずです。

 そんな人が怒っている時、きっと学ぶべきポイントがいろんなところに散りばめられているはずです。怒られた……と落ち込むだけでなく、その人が何に怒ったのかをしっかり考えるようにすれば、成長の機会につなげられるのではないでしょうか。