児童虐待や暴行、性加害…子どもを狙った卑劣な犯罪のニュースに心を痛める人は多い。
令和5年における18歳未満の子どもに対する不同意わいせつの検挙件数は1694件、不同意性交等の検挙件数は709件*に上る。
子どもの身を守るために、親として何ができるのだろうか。
本記事では、池上彰総監修の『いのちをまもる図鑑』(ダイヤモンド社)で第4章「犯罪からいのちを守る」の監修を務めた危機管理の専門家・国崎信江氏に話を聞いた。
(取材・構成/杉本透子)
*出典:警察庁「令和5年における少年非行及び子供の性被害の状況」
「誰と?」「どこへ行く?」「何時に帰る?」は必ず聞く
──子どもだけで公園などに遊びに行く場合、子どもに注意させることはありますか。
国崎信江氏(以下、国崎):基本的にはでかける前に「誰とどこに遊びに行くの?」「何時に帰ってくるの?」と確認します。より安全を求めるのであればGPS機能付きのものを持たせるという方法もあります。
最近の子は公園に遊びに行くと言っても、そのあとゲームセンターに行ってしまったりもするので、「移動するときは連絡してね」ということも併せて伝えておくことですね。
「GPS機能付き防犯ブザー」や「エアタグ」で位置情報を把握する
──子どもが携帯電話を持ってなくても、GPS機能のあるアイテムがいくつかあるんですね。
国崎:GPS付きの防犯ブザーであったりとか、子どもの持ち物に「AirTag(エアタグ)」を付ける方法もあります。わが家では、子どもが小さい頃は「ココセコム」というものを持たせていました。緊急時に通報ができるものです。
親としては位置情報が分かるし、いざというときに親の代わりに駆けつけてくれるので安心でした。ただ、遊んでいるうちに端末を落として失くしてしまったり、何かに接触して通報ボタンを押してしまったり、管理が難しい側面もあります。お子さんのタイプによって、向き不向きはあると思います。
──便利なものがあるんですね。親に位置情報がわかることは、子どもにも伝えておいたほうがいいでしょうか。
国崎:位置情報を親が見ていることで管理されていると感じる年齢もあると思いますが、小さいお子さんなら伝えることで近くで見守ってくれていると感じて安心するかもしれません。
※本稿は、『いのちをまもる図鑑』に関連した書き下ろしインタビュー記事です。
国崎信江(くにざき・のぶえ)
危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表
女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。国や自治体の防災関連の委員を歴任。『10才からの防犯・防災』(永岡書店)や『おまもりえほん』(日本図書センター)などの監修もつとめる。