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佐藤一郎のパースペクティブ

DRAMの終焉――消えないメモリがもたらす大変化

佐藤一郎 [国立情報学研究所・教授]
【第3回】 2013年5月9日
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 これには大きなメリットがあります。プログラムコードを主記憶にロードする機能がなければ、悪意をもつプログラムコードをロードすることもないので、そうしたコードを実行することもなくなります。つまり、コンピュータウィルスなどに感染する可能性を排除できるのです。なお、この場合、OSの再起動やアプリケーションの追加・削除はメーカでの修理扱いになってしまうかもしれませんが、安全性を重視する場合は一つの方法です。

その影響は、ハードディスクや
データベースソフトへも及ぶ

 ソフトウェアの研究者である当方が半導体動向をウォッチするのは不思議に思われるかもしれません。しかし、ソフトウェアはハードウェアで実行される以上、ハードウェアの動向に左右されるのです。このため半導体を含めたハードウェアの動向は常に追い続けています。

 今回は、DRAMから不揮発性メモリへの移行でも、主記憶そのものに関わる影響に注目しました。主記憶の不揮発性化の影響は広範囲です。例えばハードディスクやSSDなどの補助記憶装置の位置づけも変えますし、データベースなどのソフトウェアにも大きな影響を与えます。その話は次回とさせてください。

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佐藤一郎
[国立情報学研究所・教授]

国立情報学研究所アーキテクチャ科学系教授。1991年慶応義塾大学理工学部電気工学科卒業。1996年同大学大学院理工学研究科計算機科学専攻後期博士課程修了。博士(工学)。1996年お茶の水女子大学理学部情報学科助手、1998年同大助教授、2001年国立情報学研究所助教授、を経て、2006年から現職。また、総合研究大学院大学複合科学研究科情報学専攻教授を兼任。
専門は分散システム、プログラミング言語、ネットワーク。

佐藤一郎のパースペクティブ

分散システムの研究を核としつつ、ユビキタス、ID、クラウド、ビッグデータといった進行形のテーマに対しても、国内外で精力的に発言を行っている気鋭のコンピュータ・サイエンス研究者が、社会、経済、テクノロジーの気になる動向について、日々の思索を綴る。

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