経営の重要施策として従業員の健康維持・増進を促す「健康経営」を実施する企業が増えている。経済産業省が認証する健康経営優良法人、健康経営銘柄——就職先選びにおいても有効な認証制度を紹介する。(取材・文/嶺 竜一)
「人や社会」を大切にする
企業を見極める
「健康経営」の実践企業は、従業員の健康維持・増進のための施策を投資として捉え、保健指導、食生活改善や運動の促進、ストレスチェックとケア、労働時間の管理などを戦略的に行っている。
従業員は誰もが健康な状態で働きたいと思うが、その実現は企業の生産性向上につながる。つまり、従業員と企業にとってウィンウィンとなるのが健康経営である。これを実践しているか否かは、就活生の会社選びにおいても重要だ。
その見極めの目安になるのが、経済産業省と日本健康会議(先進的な予防・健康づくりの取り組みを広げるため経済界など民間組織や自治体が連携し2015年に発足)が設けている健康経営優良法人認定制度である。
健康経営を実践する企業は任意で申請を行うが、23年度で申請法人数は2万社を超える。認定を受けた法人で働く従業員は876万人(日本の被雇用者の約15%)で、その数は年々増えている。
健康経営優良法人認定には段階がある。特に積極的な取り組みを行う企業を、大企業部門で上位500法人を「ホワイト500」、中小企業部門で上位500法人を「ブライト500」、その下の1000法人を「ネクストブライト1000」(24年度に新設)に認定する。
健康経営優良法人と認証された企業の多くは、それを示すロゴマークをホームページや有価証券報告書など企業情報の公開媒体に掲載しているので、チェックしよう。