SNSやインフルエンサーから投資を学ぶ若者が増えている
若者たちは、今や投資に関する様々な知識や情報を、SNSやインフルエンサーなどからごく簡単に入手しています。そこで、単に手軽な儲け方といった情報だけではなく、新NISAのリスクや危険性、初心者がよく陥りがちな失敗例なども確認しながら、楽しく無理なく、学んでいるのです。さらには、身近な友人たちの、「新NISAやってみた」といった投稿を見たり、自分でも新NISAについて投稿して、友人たちから情報の真偽を確かめたり、アドバイスをもらっていたりしています。先ほど、「SNSリテラシー」という言葉を使いましたが、SNSを使いこなすことによって、「投資のリスク」を、手軽かつ入念に確認しながら、低リスクで、小さい金額からでも投資を始められるようになったのではないでしょうか。
さらには、今までの投資は、自己責任で、一人でコツコツ、黙々とやるもの、といったイメージでしたが、SNSやオンラインコミュニティが普及する中で、“投資仲間”と情報交換や成果報告をし合いながらワイワイ続ける、というスタイルが若者を中心に生まれ始めています。投資の成果を「○○円増えた!」とSNSに投稿したり、失敗談を共有したり、初心者向け勉強会をオンラインサロンで開いたり……いまや投資は一人でコツコツというより、むしろ“お祭り気分”や“イベント感覚”で楽しむムーブメントになりつつあるのかもしれません。
新NISAが大流行したのは、今まで長年、みんなが「投資はリスク」と思っていた状況から、「実は、これからの時代は、投資しない方がリスクなのではないか?」という気持ちに、タイミング良く一気に転換したからではないでしょうか。この「実は、投資しない方がリスクなのではないか?」という人々の気持ちの変化が、新NISAの大ヒットを後押しした「人を動かす隠れたホンネ」=インサイトだったのではないかと、筆者は考えています。
2025年は、いったいどのような年になるのでしょうか?時代の変化の中で起こる、人々の気持ちの変化に寄り添い、見つめていくことで、人を動かす隠れたホンネ=「インサイト」を捉えたヒット商品を生み出せるかもしれません。
拙著『センスのよい考えには、「型」がある~感覚を言語化するインサイト思考~』では、これまで個人の資質の問題とされてきた「インサイト」の発見方法を、「出世魚モデル」という5つの思考ステップと、さらにシンプルな「逆説モデル」として整理しています。誰にでも実践できる再現性の高い「型」として、丁寧に解説していますので、人気コンテンツやヒット商品を生み出したい方は、ぜひ参考にしてください。