経理部から嫌われるNG行動
(2) 経費の用途が不明確

 領収書の但し書きに「お品代」などと曖昧な記載はしていませんか?

 経理部は、申請された経費が事業上必要なものかどうかを精査する責任があります。「お品代」という記載だけでは、購入内容が不明確で適切な審査ができません。

「細かい確認は不要では」と考える方もいるかもしれませんが、審査の障害となるだけでなく、「消耗品費」「接待費」といった適切な勘定科目の設定ができず、会計処理に支障を来します。また、意図的に内容を曖昧にしているという疑念を招く可能性もあります。

 実際に、経費の不正使用は重大な事件に発展することがあります。

仮払金の不正利用で逮捕!「ウシオ電機事件」

 2023年7月に発覚したこの事件では、ウシオ電機の元従業員が長期海外出張用の仮払金を私的目的で使用し、業務上横領の容疑で逮捕されました。

 長期海外出張の場合、相当額の経費が必要となるため、従業員の立て替え払いは現実的ではありません。通常は、仮払金として必要額を事前に支給し、出張後に使途明細と領収書を提出、残金を会社に返還する方式(仮払経費精算)が採用されます。

 本件の詳細は公表されていませんが、おそらく仮払金を出張前に私的目的で使用した、または出張中の私的支出を経費として虚偽申請したケースだと推察されます。

「面倒だから」という理由で経費の詳細な報告を怠ると、経理部は事業関連性を確認できず、不正使用の疑いを抱く可能性があります。誤解を避けるためにも、経費申請は詳細に行うべきです。また、曖昧な記載は確認作業を増加させるため、経理部の業務効率も低下します。

書類を持ち、パソコンを操作する手写真はイメージです Photo:PIXTA