経理部から嫌われるNG行動
(3)経理からの指摘・依頼に反発
経理部の基本的な業務は、「指摘」と「依頼」です。領収書の提出を「依頼」し、不備があれば「指摘」する。これらは彼らの重要な職務です。
「また経理から催促がきたよ」「経理は細か過ぎるんだよ」といった不満の声をよく耳にしますが、仕事だからやっているのです。誰も好んで依頼や指摘をしているわけではありません。
依頼しなければ領収書が集まらず、指摘しなければ適切な会計処理ができません。経理部も心理的負担を感じながら、これらの業務を遂行しています。
そのような状況で「忙しいのに」「細か過ぎる」といった反発を受けると、会社のために行っている業務が否定されたように感じ、経理部員のモチベーションは低下します。
前述の通り、領収書の確認は経理部の責任です。そのため、不備がないかどうかを詳細にチェックする必要があります。しかし、綿密な確認を行えば行うほど、「この経費が業務上必要なのは明白だ」「余計な干渉だ」「素人に何が分かるんだ」などといった批判を受けることがあります。
繰り返しになりますが、これは彼らの職務なのです。煩雑な軽減税率やインボイス制度などの領収書への記載要件を定めているのは国です。経理部はそれらの規定に従って業務を遂行しているだけなので、文句は国に言うべきでしょう。
また、適切なチェック体制がない場合、以下のような事件も発生し得ます。
転売で1億円超を着服!「昭和産業事件」
食品メーカーの昭和産業では、23年7月、こんな事件が発覚しました。
元従業員が13年1月から22年8月までの約10年間、「品質管理検査用の消耗品購入」を装い、約1億4900万円分のノートパソコンを不正に購入し、転売。約1億800万円を着服したのです。
会社は元従業員を24年3月に懲戒解雇し、同年12月には約1億3000万円の損害賠償を求める民事訴訟を提起しました。刑事告訴も予定しているといいます。