日本とインドで共同設計、インドで生産、日本へ輸入

 前回の試乗編では、スズキ フロンクスの圧倒的なコストパフォーマンスについてお届けした。

 日本とインドで共同設計され、インドで生産され、日本に輸入される「インド製日本車」スズキのフロンクス。まるで「豪州産Wagyu」のような立ち位置のこのクルマはいかにして造られたのか。開発責任者にお話を伺った。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):はじめまして。フェルディナント・ヤマグチと申します。どうぞよろしくお願いします。

スズキ 商品企画本部 四輪B・C商品統括部 チーフエンジニア 森田祐司さん(以下、森):こちらこそよろしくお願いします。いやぁ、素顔を拝見するのはこれが初めてのことで……このようなお顔なのですね(笑)。

F:はい。中はこのようになっています(笑)。

スズキ フロンクススズキ フロンクス(広報写真)

F:インタビューに先立ちまして、フロンクスを1週間お預かりして、たっぷり試乗させていただきました。

森:いかがでしたか。

F:驚きました。のっけからご無礼を申し上げますが、「これがインド製なのか」と大いに驚いたものです。スズキがインド製の車両を輸入販売するのは、フロンクスが初めてではない。前にも一度やっていますよね。

森:はい。バレーノというクルマを、2016年から20年まで4年間ほど入れていました。

F:しかし残念ながら、バレーノの販売は計画通りには進まなかった。