上位校で唯一続伸しそうな「東洋英和」

 Bランクの上位校は八つある。2024年の受験者数では、吉祥女子と鴎友学園女子が500人台で、400人台のフェリス女学院が続くのだが、勢いという点では、東洋英和女学院が際立つ。25年は新規に加わる東京農業大学第一[1回]が、志望者数を見る限り200人に迫る受験者数となりそうで、同水準の他校から少しずつ受験生が移るものと思われる。

 鴎友学園女子[1回]吉祥女子[1回]は何かと比較される。受験者数と実倍率は、500人・2.53倍(23年2.76倍、2.77倍)と571人・3.05倍(23年3.06倍、22年2.8倍)と吉祥に勢いを感じる。志望者数の流れは、ほぼ前年維持の鴎友に対して、吉祥は10月・11月の1割減から12月には1割半弱減となり、25年は2倍台半ばと3倍割れとなりそうだ。

 横浜女子御三家では唯一、フェリス女学院がBランクに残る。また、神奈川の女子校では唯一、2月1日に1回だけの入試を維持している。415人が受験して2.02倍(23年2.16倍、22年2.18倍)と何とか2倍台を維持していた。微減傾向が続いていたが、出願者数は1割減となり、25年は2倍を割ることになりそうだ。

 学習院女子[一般生A]の志望者数は前年並みが続いており、25年も24年の282人で2.74倍(23年2.15倍、22年2.61倍)という状況を維持することになりそうだ。

 同じ港区の東洋英和女学院[A日程]頌栄女子学院[1回]も何かと比較される。近くに三田キャンパスがある慶應義塾大学への進学者数が早稲田大学より多い点も共通している。24年の受験者数は東洋英和の243人に対して頌栄は241人とほぼ同じである。ただ実倍率はこの3年で逆転している。

 東洋英和は2.59倍(23年2.31倍、22年2.14倍)となったが、頌栄は2.08倍(23年2.11倍、22年2.29倍)と緩和傾向にある。12月の志望者数は、東洋英和が上位校では唯一増加基調の1割増に対して、頌栄は1割減となっており、25年は2倍台後半を目指す動きと2倍割れになる公算が大きい。その点、頌栄は狙い目の入試回となりそうである。

 Bランクには共学校がもう1校ある。男子はCランクの中央大学附属[1回]で、24年は262人が受けて3.74倍(23年3.57倍、22年3.94倍)と、難関共学校と同様にハードルがだいぶ高かった。志望者数は1割減が続いており、25年は3倍台半ばに緩みそうだ。男子は2割減で2倍台半ば予想だったことを考えると、やはり女子の方がだいぶ厳しい入試を経ることになる。