
資生堂トップに10年以上も君臨した “プロ経営者” 。その最後の決算は大赤字だったが、報酬額は “プロ経営者プライス”で3億円強とお高かった。今回はそんな資生堂のほか、コーセーを取り上げる。2社の中で年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が得をしたか?特集『氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」』(全32回)の#13では、過去20年間を10年刻みにして、5世代それぞれの平均年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。資生堂は年配の社員が劣勢だった。一方、コーセーはOB世代が負け組となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
資生堂トップに10年以上君臨した“プロ経営者”
最後は大赤字、なのに23年の報酬額は3億円強
魚谷雅彦氏が“プロ経営者”として外部から招かれ、資生堂のトップになったのは2014年4月。24年12月末でようやく会長CEO(最高経営責任者)の職を辞したが、同社に君臨した期間は10年以上にわたった。
その魚谷氏の最後を飾る24年12月期の決算は、108億円の最終赤字だった。
資生堂といえば、中国関連銘柄というイメージができた。その立役者は魚谷氏だ。同氏は、現在社長CEOを務める藤原憲太郎氏と共に、中国事業の拡大にまい進してきた。その中国で近年、資生堂は苦しめられている。品質を向上させた現地メーカーの攻勢を受け、業績低迷の元凶となっているのだ。
もちろん、資生堂が支払う魚谷氏への報酬は“プロ経営者プライス”のためお高い。23年の役員報酬は3億0100万円に上っている。だが、これから資生堂は、魚谷氏の負の遺産ともいえる中国依存を克服しながら、欧米中心に事業の拡大を図る必要がある。
責を負うのは今年1月から社長CEOとなった藤原氏だが、その前途は不透明だ。ちなみに、魚谷氏はこれからも資生堂に残る予定である。今後はシニアアドバイザーとして、大所高所から経営陣に助言していくのだという――。
今回は、そんな業績不振に苦しむ資生堂と、コーセーを取り上げる。2社の中でそれぞれ、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。
2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象である。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収で見たときに序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。
試算の結果、資生堂は年配の社員が劣勢となった。一方、コーセーはOB世代が負け組となった。また、専門家による3年後の平均年収の予想額も掲載した。次ページで確認しよう。