適度に引き締まった足回りが好印象
スポーツモードを選ぶと楽しい走りが味わえる
ラインアップはモノグレードで2WDと日本専用の4WDが選べる。FFと4WDでは車両重量に60kgの差があり、車検証によると前軸重10kg、後軸重が50kg異なる。開発陣に聞くと、「同じ乗り味になるようにそれぞれチューニングした」そうだ。
足回りの開発は日本のテストコースを主体に行い、それをインドで反映させたとのこと。方向性としては、海外向けがスピードバンプ等も含めさまざまな路面に配慮しているのに対し、路面のきれいな日本では、よりフラットで運動性能を味わえるように調律された。
2WDと4WDを乗り比べたところ、車体剛性が高く、引き締まった足回りでしっかり路面を捉える骨太な走りが両車ともに味わえた。プロトタイプでクローズドコースを攻めぎみに走ったときには4WDの印象がよかった。公道で普通に乗ると2WDのキビキビとした軽快な走りがより心地よく感じられた。
4WDは「音や振動の面で不利だ」と開発者が述べていたとおり、ややゴロゴロ感がある。4WDのリアサスは2WDと同様のビーム式で、諸々の位置関係で若干バンプ側のストロークが短くなっている。その影響ができるだけないよう煮詰めたというが、少し差を感じた。後席に乗ると2WDのほうが微妙に乗り心地がいい。とはいえ4WDも悪くない。このクラスではあまり例がない前後ともクッションの厚いシートも効いて、凹凸を巧みに吸収してくれる。快適性は上々だ。不快に感じるシーンはない。
取り回し性も優れている。全幅は1765mmあるが、最小回転半径は4.8mと、確かに小回りが利く。狭い道も苦にしない点は日常生活で重宝しそうだ。
自然吸気の1.5L直4エンジン(FF101ps/4WD99ps)と6速トルコンATという、いまとなっては貴重な組み合わせのパワートレーンは、市街地ではマイルドハイブリッドの効果を実感する。