今回のテーマは、「お金に縛られずに働くことで、最高の成果を出す方法」です。
本連載は――「贅沢やムダを省いて、超効率化して得る“時間・エネルギー・資金”を投資して、人生の可能性を最大化する」ための戦略書――『超ミニマル・ライフ』(四角大輔著)より、思考法と技法をご紹介します。著者の四角大輔氏は、レコード会社時代に10回のミリオンヒットを記録後、ニュージーランドに移住し、「組織・場所・時間・お金」に縛られない人生を設計してきた異色のベストセラー作家です。
![【「お金に縛られない生き方」って何?】会社員が実践できるたった1つのシンプルな方法](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/f/7/700/img_870c8f519debe69447f7a9b2f8a5502664375.jpg)
「お金から自由になるなんて無理」…そう思う人が一生抜け出せない罠
「アーティストや起業家ならわかる。でも、一般の会社員や公務員が、お金から自由になって働くなんて無理だよ」
それは違う。少なくとも筆者は会社員時代から、その思考で働いていた。ニュージーランド移住後は、そのスタイルをより極めただけだ。
昔から見栄のためのブランド志向や物欲もなし。お金を使ったのは、フライフィッシングや登山といったアウトドア活動、ニュージーランド移住につながる活動、後述する有益な「投資」活動だけ。
アウトドアで最低限必要なギアとウエアは、学生時代のバイトで買い揃えていた。30代になってからは、スポンサーが付いて無償提供されるようになり、その出費さえも最小化できた。
15回を数えたニュージーランド視察の航空券も、貯めたマイルを使うなどして一度も自腹を切ったことがなかった。
結果、15年間の会社員生活は一度もボーナスに手をつけることなく終了。30代で成果を出せるようになるまでは、「会社に貢献できていないのに特別賞与なんてもらっていいのか」と思っていたくらいだ。
レコード会社の基本給は低く、しかもあまり上がらない。大きなヒットを記録してやっとボーナスだけが急上昇し、30代半ばで別のレコード会社にヘッドハンティングされて倍増。
平均的な会社員よりかなり収入は多くなったが、生活レベルは一切上げず「新入社員時代+α」の生活費で暮らしていた。
片や、マスコミやエンタメ業界で働く人たちは──資本主義の慣習に則って──所得が増えると服や持ち物が派手になったり、外車に買い替えたり高級マンションに引っ越していく。
そんな中、筆者はキャンピング仕様にDIYした国産の中古バンにずっと乗り続ける。時にモバイルオフィス、時にバンライフの相棒として──ニュージーランド移住直前に、雨漏りして修理不能となって強制廃車になるまで愛し続けた。
住む部屋もそうだ。いくら給料が上がっても、敷地内に墓地があって「幽霊が出る」と退去が絶えない築40年という、格安の部屋に住み続けた(実際には何も出なかったが)。
「浪費」と「投資」を間違えるとヤバい…お金を増やす人と減らす人の分岐点
当然、家計簿は徹底的につけて「ミニマム・ライフコスト」を把握。そして、お金の使い道を「投資・消費・浪費」に分けて考え、「消費」は極限まで減らして「浪費」はゼロを目指す(筆者は、「自分や家族が健康的に生きるために最低限必要な生活費」を「ミニマム・ライフコスト」と名付けている。この連載でお伝えしてきた言葉だ)。
例えば飲食費は、弁当とマイボトル持参で半減させる。家具と家電は中古で必要最低限のみ。レトロな古着ファッションを愛し、いつも同じような格好をしていた。
同僚からは変わり者扱いされ、友人からは心配されていた。
逆に、有益な「投資」には躊躇せずお金を使った。
「大好きなこと・夢につながること」や、高性能のモバイルデバイス、寝具や食事といった「自身のパフォーマンスUPと人生の可能性UPにつながること」がその対象である。
「投資先」を間違えると、大きな「浪費」になってしまう。だが決して恐れないこと。いつでも「投資」とはリスクが伴う行為であり、これこそが人生の質を決めるからだ。
「浪費」と「投資」は紙一重、いや表裏一体だと覚えておこう。