要するに、テクノロジーと社会課題に対する深い理解をもち、多様な立場の人々と協力してイノベーションを実現する“横断力”と“実行力”を兼ね備えた人物が、まさに今のビジネス界で高く評価されているといえよう(こういう人物をいまだに宇宙人のようでふらふらしていると評する組織もあるが、それはもう、「そういうレベルの会社でしかない」といえる)。
しかし、旬というものは絶えず移り変わる。トランプ政権への移行を目前にして米国の複数の企業が多様性目標を廃止したのは記憶に新しい(もちろんそれすら、さらにトランプ大統領の任期終了の4年後に「アンチMAGA」「アンチトランプ」的な言説が主流になれば「揺り戻し」で、また復活することも目に見えている)。
AIの高度化により、文章生成やデータ処理、さらに企画立案の大部分を機械が代替する日も遠くはない。AIエージェント同士が連携して仕事を進める可能性もあり、その段階に至れば、ここで述べた“旬な仕事”の多くもAIに置き換えられてしまうだろう。
これからの時代に求められる
AIを使いこなせる人材
![ビジネスパーソン](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/e/1/350/img_e131d75a02a87d88618841fe04c5635d542721.jpg)
とはいえ、現状ではAIの得意とする計算・分析と、人間が行う価値判断や倫理的判断にはまだ大きな溝がある。AIが導く“最適解”は必ずしも“正しい解”とは限らず、組織のビジョンや社会的責任を踏まえた最終判断は人間に委ねられざるを得ない。
また、創造性や共感力といった領域でも、人間ならではの強みが依然として重要である。学習データを組み合わせて意外性のある作品を生み出すことはできても、その成果を文脈や感情の次元で評価し、新たな価値へ結びつけるのは人間の役目だ。