
上場企業の監査証明業務を担う監査法人は、品質管理体制が一定程度保たれている法人だ。ではその中で最も稼ぐ監査法人はどこか。特集『公認会計士「実名」「実額」2364人ランキング』の#13では、監査証明業務と非監査証明業務を合算した総売上高でランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
主要123監査法人の最新序列
準大手で順位に変動あり
日本公認会計士協会が運営している登録上場会社等監査人情報に登録している監査法人は本稿執筆時点で132。そのうち直近の決算情報が集計可能な123監査法人を対象に、ランキングを作成した。
監査法人には大きく2種類の売上高がある。監査法人の本業である上場企業に対する監査証明業務によって得られる売上高と、アドバイザリーやコンサルティングなどの非監査証明業務によって得られる売上高だ。本稿では、それらを合算した直近の総売上高でランキングを作成した。
注目したいのは、123法人のうち103法人が前期から総売上高を伸ばしていることだ。この背景には、上場企業の監査証明業務が規制強化によって複雑化しており、監査に必要な時間の増加がある。その分、監査証明業務の売上高が増加しているのだ。
裏を返せば、そうした状況があるにもかかわらず総売上高を減らしている監査法人は、何らかの事情がありそうだ。四大監査法人に次ぐ総売上高規模がある準大手監査法人は4法人。その中で前期から総売上高を減らしているところが1法人ある。またトップ20以内に前期比31.28%減の法人も存在する。
次ページで123法人を対象としたランキングをお届けする。前期と当期それぞれの総売上高と、その内訳である監査証明業務と非監査証明業務の売上高、総売上高前期比伸び率、当期末時点の公認会計士の人数も掲載している。