接待する側の場合、私にはこだわりがあって、お客さまが到着する前に必ずシーティングアレンジメント(席次)を決めておきます。人数が多い場合には結構大変ですが、お客さまが到着したら、すぐに「こちらにご着席ください」と案内できるようにするためです。失礼のないような席次を考える、そして周りの人と話しやすいようにすることは、接待を成功させる上でとても大事なことです。
接待される側だったら、勧められた場所に座ること。まれに“偉い人”が、案内される前に“偉い人が座る席”にささと座ってしまうことがあります。その席に間違いはないとはいえ、恥ずかしい行為です。
会食で「避けた方がいい話」とは?
“贅沢自慢”に注意
会食中は、周りのペースに合わせて食べること。当たり前のようですが、ほとんど会話もせずに“早食い”する人がいます。それはとても失礼なので、適度に会話をしながら、楽しく過ごす。
会話の内容も大事です。初対面の人や顔見知り程度の人が同席していたら、微妙な話はしないこと。特に宗教の話などは避けた方がいい。家族のことやあまりプライベートなことを聞くこともしないこと。複雑な事情を抱えている人がいるかもしれません。
意外に思うかもしれませんが、私は仕事の話もしません。仕事の話は仕事の場ですればいいのです。昔話をしている中で、「あの時の仕事は大変でしたね」と懐かしく振り返ることはあっても、会食の場にギラギラした仕事の話を持ち込んだり、(会社のポリシーとして)会社を売り込んだりすることもありません。
私の場合、一番差し障りがない話は、執筆中の本のことやテレビに出演した時のエピソード。私は新幹線に乗るのが好きだから、新幹線にまつわるネタも受けがいい。出張で訪問した土地の良かったところも話しますが、難しいのは贅沢自慢にならないように気を遣うこと。