総予測2025#95Photo:Rodrigo Reyes Marin/AFLO

製薬業界は2023年に続き、24年も希望退職者募集が相次ぎ、寒風が吹きすさんだ。特集『総予測2025』の本稿では、24年の製薬リストラに見られた異変、そして25年以降にリストラに踏み切る可能性の高い会社の特徴を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

製薬業界はリストララッシュ
武田薬品も再び!

 さらなる効率化を目指すための複数年にわたるプログラムを実施します」――。

 武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長CEOは2024年3月期決算発表の場で、25年3月期に1400億円を事業構造再編費用に投じることを発表した。

 ウェバー社長CEO就任以来、武田薬品のお家芸と呼んでも過言でないほどの頻度でリストラが行われてきた。それでもこの額はウェバー体制で過去2番目の規模で、年度内に大きな人員整理が行われることが確実視された。

 その詳細が明らかにならない間、24年7月までにMSD(米メルク・アンド・カンパニーの日本法人)、トーアエイヨー、田辺三菱製薬、住友ファーマ、協和キリンと、次々と希望退職者募集の実施が公表された。そして8月、満を持して武田薬品の国内でのリストラが公表された(下表参照)。

 結果的に23年に続き、24年も国内製薬業界はリストララッシュとなった。

製薬業界では近年、希望退職者募集が相次いでいるが、24年にはある異変が見られた。この異変とは何か。25年以降もリストララッシュは続くのか。リストラに踏み切る可能性が高い会社の特徴とは?次ページで明らかにする。