1億円以上稼ぐ取締役1109人の実名! 上場3935社「年収1億円以上幹部」ランキング#5Photo:Illustrator de la Monde/gettyimages

実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1109人もいる。果たして、どんな顔触れなのだろうか?また、諸外国に比べて低過ぎるという指摘もあるだけに、年収が高いこと自体は批判されるべきではないだろう。ただ、業績や株式市場からの評価が振るわないにもかかわらず、1億円ももらっているのであれば、従業員や株主は心穏やかではいられないかもしれない。そこで、ダイヤモンド編集部では上場企業3935社を対象に、年収1億円以上の経営陣を調査、業界ごとに実名での報酬ランキングを作成した。特集『1億円以上稼ぐ取締役1109人の実名!上場3935社「年収1億円以上幹部」ランキング』(全24回)の#5では、自動車・輸送用機器業界のランキングを掲載する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

自動車・輸送用機器業界は年収1億円以上が49人!
時価総額25倍のトヨタに迫る日産の高待遇

 信賞必罰――。「賞罰を明確にすべし」という意味だが、今の日産自動車ほど、この言葉から懸け離れた経営をしている企業はないだろう。

 業績不振に加え、ホンダとの統合の議論もまとめることのできない経営陣。しかし、それでも日産には1億円以上の報酬を受け取る取締役が6人もいる。

 トヨタ自動車で1億円以上を受け取るのは7人と、1人だけ上回るが、日産の時価総額が約2.4兆円なのに対し、トヨタはおよそ62兆円。25倍の開きがあるのだ(2024年3月末時点)。いかに日産が企業価値に比して高い報酬を受け取る幹部が多いかが分かる。

 なにしろ、金額は後述するが日産の内田誠社長は、トヨタの佐藤恒治社長よりも年収が多いし、さらには、統合の議論が進んでいたホンダよりも、日産幹部の年収合計額の方が圧倒的に多いのだ。

 では、自動車・輸送用機器業界で「年収1億円以上」の経営幹部は、どんな顔触れなのだろうか?

 ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、1億円以上の高額な年収を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかの参考にしてほしい。

 集計の結果、自動車・輸送用機器業界で年収1億円以上は49人いることが判明した。全業界の平均が33.6人だから、やや多い。

 トヨタや日産、ホンダ、スズキ、三菱自動車、SUBARU、マツダといった完成車メーカーに加えて、デンソー、アイシンといった部品メ-カーの幹部たちは、幾らもらっているのだろうか。全業界の上場企業の平均と比較して水準は高いのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。