日本の冬は“悪魔の路面”
オールシーズンタイヤ4選

 日本の冬の路面は、世界屈指の悪条件です。路面の条件は、気温や路面温度が低いほど厳しくなると思っている人が多いでしょう。しかし、実際はそうではありません。

 タイヤが氷の上で滑るのは、氷が解けた水分が、氷とタイヤの間に入り込むのが原因です。このため極端に寒い地域ではスタッドレスタイヤでなくても走れてしまいます。

 ところが、日本はちょうど、クルマが走ると摩擦で雪が解ける気温や路面温度なのです。解けた雪は瞬時に氷になります。さらに都市部ではその氷がタイヤの空転やスリップでツルツルに磨きあげられ、黒く不気味に光る「ブラックアイスバーン」という“悪魔の路面”となるのです。

 そうして生まれたブラックアイスバーンにも対応できるのが、日本市場向けのスタッドレスタイヤです。高性能なスタッドレスタイヤを履いていれば、ほぼどんな状況でも安心できるでしょう。

 とはいえ、正直そこまでのアイス性能は必要ない…という人向けなのがオールシーズンタイヤです。一世代前のオールシーズンタイヤは雪でも走れる性能でしたが、現代のオールシーズンタイヤは「氷でも走れる性能」にグレードアップしています。

 具体的に現在、日本市場で販売されているメジャーなオールシーズンタイヤで確認しましょう。グッドイヤーの『ベクター4シーズンズハイブリッド』、横浜ゴムの『ブルーアース4S』、ミシュランの『クロスクライメート』、ダンロップの『シンクロウェザー』は、いずれも「スリーピークマウンテン・スノーフレークマーク」が刻印されています(単にスノーフレークマークと呼ばれることもあります)。

 スリーピークマウンテン・スノーフレークマークは、欧州の規格で雪道走行が可能であることを認証したタイヤに刻まれるマークです。日本の道路でも「冬用タイヤ規制」になった際、スリーピークマウンテン・スノーフレークマークがあれば冬用タイヤとして認められ走行可能です。M+Sのマークだけでは走れません。なお、ダンロップのシンクロウェザーは氷上性能も確保されていることを示す「アイスグリップマーク」も刻印されています。