オールシーズンタイヤのメリット
手間なし、コスパ良し、省スペース

 ちなみに筆者は、横浜ゴムのブルーアース4Sを国産FF車に装着していますが、都内で降雪があった際にも問題なく走行できました。チェーン規制の際やグリップが確保できなかった際にも対応できるように、「オートソック」という布製チェーンも搭載しています。が、こちらの出番は都内では未だになく、オールシーズンタイヤのみで冬場も過ごせています。

 というわけで非降雪地の居住者は、近年レベルの降雪率や降雪量であれば、オールシーズンタイヤでこと足りるでしょう。万が一を考えて、布製チェーンも搭載しておけばさらに安心でしょう。

 ただし、冬場はスノボやスキーを楽しむためにゲレンデに行く人は、スタッドレスタイヤへ履き替えたほうが安心感は高くなります。

 オールシーズンタイヤの最大のメリットは、履き替える手間がないことです。これは同時に、履いていないタイヤを保管しなくて済むことにもなります。タイヤの交換や保管は、ショップやディーラー、整備工場に依頼できますが、工賃や保管料は発生します。そしてタイヤを1セット余分に購入することになるので、費用もかさみます。

 オールシーズンタイヤは、「タイヤの残り溝50%まで」が冬用タイヤとしての使用限界です。そこを過ぎたら、夏用タイヤとしてしか使えません。それでも、全体的なコストは落とせるはずです。

 タイヤの残り溝が50%を切った場合、サマータイヤであってもウエット路面でのグリップ低下や乗り心地、燃費の悪化が懸念されます。マイカーの使用条件(距離や道路状況など)によりますが、冬場に残り溝50%まで使い、夏場はそのまま乗り切って、次の冬が来るタイミングで次のオールシーズンタイヤに履き替えるのが賢い使い方でしょう。

 降雪地帯の場合は、夏タイヤの代わりにオールシーズンタイヤを使うことで、万が一の降雪時にある程度対応可能というメリットもあります。早い時期の降雪なら、本格シーズンよりも降雪量も少なく、アイスバーン化もしにくいからです。

 タイヤ業界としては、サマータイヤとスタッドレスタイヤの両方が売れたほうが、景気も良くなるはずです。しかし、今のトレンドはオールシーズンタイヤになりつつあります。オールシーズンタイヤの性能向上と普及は、ユーザーにはメリットが多く、歓迎できることでしょう。