節約すべきは「時間」。

 ひと昔前は、通信料金が従量制(接続時間に応じて使用料が課金される)で、パソコンのメモリやハードディスクの容量も小さかったので、メールは簡潔第一、本文中のあて名は省略、あいさつもそこそこにすませるのがマナーでした。

 今は、本文にあて名(●●株式会社 山田太郎様)や挨拶(いつも大変お世話になっております。等)を書くように変わってきましたが、紙の文書でつかっているような「拝啓—敬具」や儀礼的な長い挨拶は使われません。

 しかし、だんだんにていねいさが求められるようになり、マナーを守るために費やす時間も増えてきています。

 マナーは「どの程度の人がそのようにしているか」という実態によって左右されてしまうところがあります。あなたが部下に教えているそのマナーは、時代と合っていない、過度に丁寧なルールかもしれないのです。

 できれば、ムダな手間はふやさず、効率のよい仕事がしたいですね。どちらか迷ったときに簡略なほうを選択すれば、あなたはそのやり方に1票を投じたことになります。なにより互いの負担を減らすために
「シンプルですぐに読める内容にまとめる」
が、いつでも最大の基本マナーとされているのです。