まともな葬式を上げるためにできることは?
地域の葬儀社とのコネクションも重要

 このままでは、誰もが葬儀トラブルに遭う可能性があります。

 筆者も最近、狭い部屋に親戚一同がギューギュー詰めで押し込められ、流れ作業のように淡々と行われた葬式に参列して、とてもむなしい気持ちになりました。無駄なところにお金をかけて高すぎる葬式をする必要はありませんが、やはり、ちゃんとした昔ながらの葬式で、故人の良かったところなどを称えあうことが遺族の心の支えや安定にもつながるのではないかと感じました。

 これまでは自分の葬式なんてどうでもいいと考えていましたが、やはり、遺族や友人も残念がるのではないかと思い、一般的なお葬式は必要だと考え直したところでした。それなりに友人や親戚を呼んで、ゆったりとした時間を確保して丁寧な葬式をすることは、自分だけでなく遺族の友人関係が良好になるためにも必要でしょう。

 ところが、そう考え直したところでも、残念ながら今や火葬場や葬式場の予約が取れないのが実態です。待機中に自宅の部屋に故人を1週間以上安置すると、近所から臭いのクレームが来てしまい住宅価格が下がることもあります(マンションなど集合住宅では特に気になるところだと思います)。ドライアイス等を取り換えながら冷やしておく作業を、悲しみに沈んでいる遺族がしなければなりません。

 では、どうすればいいのでしょうか。

 生前、何も準備しなければ、病院で葬儀社を手配されます。遺族は目の前で他界した親(家族)を見て呆然としていることもあり、適切な葬儀社を選ぶことができないケースもあるでしょう。

 そうならないために、まずは、日頃から葬儀社の経営陣や関係者と親しくなっておくことが重要です。地域の交流会などで名刺を交換することがあったら、ぜひ、仲良くなってコネを作っておきましょう。そして、何かあった時には優先的に応じてくれるようにしてもらうことです。

 牧田さんは、父の葬式で悔いが残ったため、知人に融通が利きそうな近所の葬儀会社を紹介してもらい、プライベートでの交流を増やしました。そして、日頃からどんなお葬式をしたらいいのか、アドバイスを受けることにしました。