衆院予算委員会で2025年度予算案の与党修正案が可決し、散会後、安住淳委員長(右端、立民)と握手する石破茂首相(左端)衆院予算委員会で2025年度予算案の与党修正案が可決し、散会後、安住淳委員長(右端、立民)と握手する石破茂首相(左端) Photo:JIJI

2025年度当初予算案、衆院通過で成立確実に
野党要求反映し29年ぶりに国会修正

 2025年度当初予算案は29年ぶりに国会修正が行われて自民・公明の与党に加え、日本維新の会が修正案に賛成し衆院を通過、成立が確実になった。

 日本維新の会が要求した高校無償化は、25年度、26年度と段階的に実施されることになり、給食費についても小学校を先行して、26年度から無償化される運びとなった。

 一方、国民民主党が要求していた「103万円の壁」見直しは、要求通りにはならなかったが、所得税の基礎控除などの課税最低ラインを年収160万円に引き上げることが決まった。

 少数与党の下、与野党の政策協議が行われ、立憲民主党が予算委員会の委員長ポストを得たこともあって、野党の案が一部とはいえ当初予算案に反映されたという点では重要な意味合いを持つ。

 だが、与野党の折衝は、予算案の衆院通過を最優先して妥協を図る与党と存在感を示すことに執心する野党との駆け引きやそれぞれの思惑が先行した感がある。政策として生煮えであり、肝心の目指す社会像の議論は後ろに置かれた。政策の「熟議」は道半ばだ。