免疫は70代で1割になる
肺炎死の9割が高齢者という現実

 セルフチェックの結果はいかがでしたか?ここからは、ご自分の結果を踏まえた上でお読みください。

 誤嚥性肺炎を起こす主な原因は4つあります。

 1つは免疫力の低下。肺炎で亡くなる人の97%以上が65歳以上の高齢者です。これは高齢による免疫力低下が原因と考えられます。 

 免疫力とは細菌やウイルスなどの侵入や増殖を防ぐ力のこと。また、がん細胞の発生や増殖を抑える力もあります。このため、高齢になると肺炎やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなり、がんにもなりやすくなるのです。

 年齢と免疫力の関係は下の図を見るとわかりやすいでしょう。この図は加齢と免疫に関する研究の第一人者、東京医科歯科大学名誉教授の廣川勝昱先生がわかりやすくまとめたものです。

あまり人と話さない人は危険?死者増加の「誤嚥性肺炎」予防のための10のポイント【医師が解説】同書より転載

 免疫力は成長とともに上昇し、成長期にピークを迎えます。しかし、その後はゆるやかに低下していき、40代でピーク時の50%に。さらに70代ではピーク時の10%まで減少するといわれています。

 ただ免疫力には個人差があり、同じ年齢でも感染症にかかりやすい人もいれば、かかりにくい人もいます。これは免疫力の差によるものと考えられます。

 ところが、免疫力というのは簡単に測定することができません。

 一方で、誰でも確実に免疫力を上げる方法があります。それはワクチンです。

 新型コロナウイルス感染症のワクチンは接種された方も多いと思いますが、肺炎も肺炎球菌ワクチンの接種によって、発症を防いだり、重症化を防ぐことができます。

睡眠中に肺炎になる人の共通点
“ある小さな脳梗塞”の正体

 誤嚥性肺炎を起こす主な原因の2つめは、動脈硬化。先ほどのセルフチェックで(2)~(6)にチェックした人は動脈硬化のリスクがあります。

 動脈硬化とは、主に加齢にともなって血管が硬くなること。

 健康な血管はしなやかで柔軟性がありますが、加齢や喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が異常値を示す)があると、動脈硬化が進行し血管が広がりにくくなるため、血液がスムーズに流れなくなります。そのため、血管が詰まりやすくなり、脳や心臓の太い血管が詰まって、脳梗塞や心筋梗塞などを起こすのです。