経営陣も「売れているからそのままでいい」とは考えず、「もっといいものに変えていこう」と常に前向きに取り組んできました。その結果が、現在の成長につながっているのだと思います。固定観念にとらわれず、市場ニーズの変化に柔軟に対応していく。これが当社のDNAとも言える「こだわりのないこだわり」という考え方です。

新ヒットはどこで生まれる?
「新価値創造本部」の正体

――川端社長の話からもうかがえる通り、同社製品の大きな特徴は、パッと目を引くビビッドなデザインと、一度聞いたら忘れられないユニークなネーミングだ。独特の製品開発とマーケティングは、どこで生み出されているのか。現在、そのコア部分は、2024年10月に「マーケティング総合企画本部」から名称変更された「新価値創造本部」という部署にある。

「ごきぶりホイホイ」発売から50年、虫ケア用品が“驚きの進化”を止めない理由

 パッケージのデザインやネーミングについては、新価値創造本部が担当しています。

 商標登録との兼ね合いもあるので、何でも自由に決められるわけではありません。とはいえ、基本的には「消費者に覚えてもらいやすいこと」が最も大切です。

 私は「インパクト」という言葉はあまり好きではありません。単に目立てばいいわけではなく、「何が良いのか」「どうすれば記憶に残るのか」を考えることが重要です。

 たとえば、新製品の虫よけ剤「はだまも」は、ひらがな4文字のシンプルなネーミングにしました。長すぎる名前は覚えにくく、消費者の印象に残りにくいからです。