「あんたが言うその7人の子たちは先生が信頼している子たちよ。
あんたはそんな子が嘘を吐いていると言うの?」

 約2年間に渡り同級生7人により集団的ないじめを受けていたヒナタさんは、これに耐えかねて、昨年12月に一度、担任であるX教諭に相談した。話を聞いたX教諭はヒナタさんにこう話したという。

「(いじめた側とされる7人に)聞いてみるわ……」

 数日後、X教諭から、普段、人気がない楽器置き場へと呼び出されたヒナタさんは、X教諭と以下のようなやり取りがあったと話す。

「(いじめた側とされる7人に)聞いてみたけど、皆、何もしてないって言ってたで」

「そんなことない!」

「でも、あんたが言うその7人の子たちは先生が信頼している子たちよ。あんたはそんな子が嘘を吐いていると言うの? 先生が直接聞いたのよ」

 児童にとって家族以外で接する大人、1日のうちその大半を過ごす学校、そこでもっとも身近に接する担任教諭からの拒絶に児童は非常に大きなショックを受けたことは想像に難くない。この時の心境をヒナタちゃんはこう語っている。

「先生(X教諭)にこう言われて何も話せなくなった――」

 それにしてもここまでの話でどうにも不思議なのは、X教諭が児童からの「SOS」とも取れる話を昨年12月の時点で聞き、これを児童の保護者である母親に一切伝えていないことである。

 加えてX教諭は、このタイミングで管理職である校長、教頭、主幹教諭(神戸市の独自の教職員人事制度。校長、教頭の補佐役となる教諭職)の誰にも報告していなかったことが、今回、取材で明らかになった。

 これについて小学校の関係者が、その理由を次のように語る。

「X教諭は、ヒナタさんから『友達関係で悩んでいる』と相談を受けたのであって、『いじめに遭っている』と相談された訳ではないという理解です。だからヒナタさんのプライバシーもあり、保護者さんや管理職にも報告しなかったということです」