ヤムおじさんに教わるアンパン作り
職人直伝の阿部サダヲの手つきがすごい

 のぶにほだされたヤムおじさんは、朝田家であんぱんを1回だけという約束で作ることにする。まず、団子屋の桂万平(小倉蒼蛙)からあんこを調達、それから、窯をつくる。ちょうど朝田家は石材屋で石がいっぱいあるから、それを使って窯づくり。それから、パンづくり。

 尺をとってあんぱんづくりが披露された。

 さんざん泥をいじって窯をつくったあと、どれだけ手を洗ったのか気になるが、おじさんの手はきれい。

 粉を広げ卵を混ぜて、壺に入った謎の物質(やっぱりイースト菌?)を入れて水を加えて混ぜて練って、できた生地をたたきつける。そしてあんこを入れて丸めて……。

 その手つきは繊細にして大胆。目つきは真剣そのもので鋭い。阿部サダヲは、パン職人の竹谷光司からパン作りを習ったそうで、4月4日放送の『あさイチ』に阿部がゲスト出演したとき、竹谷が、阿部についてこう語っていた。

「器用ですね。勘がいい。まねるのが上手。人の動作をほんとに上手に再現する。自信がないと動作が小さくなるが、阿部さんは逆。自信がないところはむしろ大きくなる。プロ以上にプロに見える」

 その頃、万平が釜をつくりあげ、そこにパンの種を入れる。火がついているように画面が陽炎のように揺れている。あっという間にきつね色のパンが焼き上がった。

 くら(浅田美代子)が近所の人を呼んで来て、自分はこれを食べて元気になったと言い、羽多子(江口のりこ)が今日は特別に2銭(本来10銭)と大盤振る舞いをして、あんぱんは飛ぶように売れた。

 釜次(吉田鋼太郎)は負傷していることもあるし、意地を張って、あんぱんづくりを認めようとしないが、くらや羽多子は生きることに貪欲でたくましい。

 ひと仕事終えて、片付けをしている屋村に、また明日もお願いする気満々ののぶ。でも、「勝手にお願いするな」と屋村はつれない。そこへ、羽多子が、自分にパン作りを教えてほしいと頼み込む。