自分の都合や時間を押し付ける上司も問題です。就業時間を少し外れるくらいなら仕方ありませんが、夜中や休日にメールで仕事の指示をしてくる上司に対する苦情を、よく耳にします。自分が思いついたときに「忘れちゃうから、とりあえず送っとこう」といった軽い考えでも、受け取った部下にはプレッシャーとなります。自分の役職が持つパワーの大きさを、自覚すべきです。
部下に「大丈夫か」と聞く上司は二流
では、一流は?
現実に、部下の誰かが働く元気をなくしてしまったことに気付いたら、まず原因を確かめることが必要です。能力的についていけないのか、その職種に向いていないのか、職場での人間関係やコミュニケーションが上手くいかないのか。上司は、相手の背景事情を知らなければなりません。
理由を聞き出せるだけのコミュニケーションを日頃から持っているかどうか、が問われます。不調が顕在化する前からコミュニケーションが取れていれば、相手が元気を失くしたのを見て、「あれが原因だな」と察してあげられます。社員食堂で同じランチを食べながら、休日の過ごし方や趣味の話を雑談できるような関係が大切です。
日頃のコミュニケーションを円滑にするには、自分が“なんとなく話しにくいオーラ”を出していないかどうか、気にしてみてください。部下とのコミュニケーションにおいては、クローズドクエスチョンを使わないのもコツです。上司から「大丈夫か?」と訊かれた部下は、「大丈夫です」と答えるしかないので、会話はそこで終わりです。
上手いやり方は、オープンクエスチョンを使うこと。たとえば相手の体調が悪そうだと感じたとき、「自分は最近、花粉症がとっても辛いんだけど、君はどう?」という訊き方をすれば、「私はよく眠れなくて困ってます」と遠慮せずに言いやすいものです。自分をオープンにしなければ、相手もオープンになってはくれません。
仕事や人間関係でストレスを受けたら凹むのは、誰でも自然な反応です。したがってメンタルの不調は、あなた自身を襲う可能性もあります。