問題は、回復する力が出せるかどうかです。回復力を発揮するための大きな要素は、ストレスを溜め込む前に表現すること。溜め込んでいくほど、適応障害に近づいてしまうからです。
そんなときに備えて、困ったことや嫌なことを素直に話して分かち合える仲間をつくっておくことが、支えになります。社内の同僚や先輩には話しにくいでしょうし、味方だと思っていたら裏切られて余計に傷つく場合もあります。
「他社に勤めている学生時代の友人」といった関係のほうが、役に立つものです。自分自身が「ちょっと危ないな」と感じたときのために、会社の外に自分の世界を持っておくことです。
回復力を磨り減らさないためには、会社だけがすべての生活にしてはいけません。身体を動かす時間をつくるとか陽に当たるといった小さな習慣も、気持ちの切り替えに効果的です。仕事以外に、メンタルを守れる時間と場所をつくっておくことが欠かせないのです。
メンタルの不調を訴えるビジネスパーソンがこれだけ多いのは、上手く対処ができなかったり、対処せずに放っておいたりするせいです。肝心なのは溜め込まないことと、表現する場所をつくっておくこと。調子が悪いと感じたら、すぐに対処する習慣をつけておくことが大切です。