これらのリスク因子の中で、特に、高血圧と重度の腎臓病は、脳卒中、認知症、老年期うつ病の発症と疾病負担に最も大きな影響を与えていることが示された。

 一方で、身体活動や余暇の認知的活動は、これらの疾患のリスク低下と関連していた。ただし、研究グループは、「脳の疾患が進行するほど、運動や知的活動はできなくなる傾向があるため、この関連は、原因というより症状の現れなのかもしれない」との見方を示している。

予防のための努力により
複数の疾患の発症リスクを低下

 論文の筆頭著者であるMGH脳ケアラボのJasper Senff氏は、「認知症、脳卒中、老年期うつ病は互いに関連し合っているため、いずれかを発症すると、将来的に別の疾患を発症するリスクが大幅に高まる」と話す。

 同氏はさらに、「これらの疾患は、互いにリスク因子を共有しているため、予防のための努力により複数の疾患の発症リスクを低下させることができ、それが結果的に加齢に伴う脳疾患の負担軽減につながる可能性がある」と述べている。

 研究グループはこれらの結果を使って、脳の健康を守るための取り組みを測定するために開発した「脳ケアスコア」の精度を高める予定だとしている。

 論文の共著者の1人である、MGH神経学科長のJonathan Rosand氏は、「医療は複雑化する一方だが、今回の研究結果は、疾患の予防が非常に簡単であることを思い起こさせてくれる。なぜなら、最も一般的な疾患の多くが同じリスク因子を共有しているからだ」とMGHのニュースリリースで述べている。(HealthDay News 2025年4月9日)

https://www.healthday.com/health-news/neurology/stroke-dementia-depression-share-many-risk-factors

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