与えられた仕事を
こなしているだけではダメ

大企業で「仕事ができる人」が、中小企業で「仕事ができない人」になる“たった1つの理由”写真はイメージです Photo:PIXTA

 決して、大企業の人材の全てを否定しているわけではありません。高い「思考力」と「実行力」を備えた優秀な人はたくさんいます。そういう人なら、もちろん中小企業でも活躍のチャンスがあります(ただし、先にも述べたように周りの人材や資金、設備などは大企業ほどでないケースが多いことに注意が必要です)。

 一方、仕事とは与えられるもので、与えられた仕事を無難にこなせばいいと思っている人も大勢います。

 このように指示待ち症候群に侵された人は、内部志向に陥りがちです。積極的に社外や所属する自部門以外に働きかけることも少なく、また与えられた仕事以上をすることもなく、成果を出すのが難しくなります。

 中小企業の場合、仕事の仕組みが十分にできてないことが多いので、自分で仕事を見つけないといけないし、自分で考え実行しなければなりません。

 周りの人材も十分ではありません。会社のネームバリューがないため、営業など他社とのかかわりにおいても大企業以上の努力が必要です。

 このように、大企業と中小企業では仕事のやり方に違いがあり、大企業出身の期待された人材が力を発揮できないことがあるのです。

 大企業でも一部の営業職の人は指示待ちでは務まらず、自分から積極的に動いて取引先を開拓していかないと成績を上げることができません。一方で、中には既存の取引先に依存して御用聞きのような営業しかしてこなかった人もいます。採用する場合は、自主的に仕事をしてくれる人なのかどうか、きちんと見極めることが大事です。

 もう一つ、中小企業の経営者にアドバイスしたいのは、管理部門や企画部門の採用についてです。