タンブラーを片手に歩く女性写真はイメージです Photo:PIXTA

キャリアは、自分が思い描いた通りに歩みたい――。誰もがそう思うはずですが、加速度的に変化する社会の将来を見通すことは、不可能になりつつあります。キャリアビジョンは役に立たなくなってきているのです。だから、人事面談でよく聞かれる「5年後どうなっていたいですか?」といったテンプレ質問にも答えようがない…。仮にそれっぽい答えを持って、キャリアを形成していても早晩行き詰まるでしょう。思い描いた通りにならなくては、差し詰め挫折する。「ビジョン」が役に立たないVUCAの時代、キャリアを成功に導くために必要なものとは何か。2万人以上の転職を支援してきた転職のプロが「変化が激しい時代にどのようにキャリアを形成すべきか」について解説します。(クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)

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AIに仕事を奪われる?
そんなこと考えてもしょうがない

 近年、テクノロジー業界やスタートアップ、コンサルティング分野では、ディスラプト(disrupt)といった言葉を耳にする機会が増えています。

 ディスラプトとは破壊を意味し、既存のビジネスや市場を大きく変革するような技術やサービスの登場を指す場合に使われます。その背景にはAIを始めとする新たなテクノロジーの台頭があるのはいうまでもありません。実際、身の回りの業務に新しいテクノロジーがどんどん入り込んでいる職場は少なくないでしょう。

 転職まわりでいえば、採用面接の面接官をAIが行っている会社もあります。たとえば飲食チェーンなどの労働集約型産業では膨大な人数のパート・アルバイトが入社・退職するため、採用面接が店長業務の大きな負担になっています。そこで書類を通過した人をAIが面接するのは、非常に合理的な手段となります。