名言製造機・次郎(中島歩)が覚醒!「そんなに重い荷物…」「終わらない戦争はない」→のぶの心を動かした朝【あんぱん第40回レビュー】『あんぱん』第40回より 写真提供:NHK

日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第40回(2025年5月23日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)

間に合わない感が
切ない嵩(北村匠海)

 のぶ(今田美桜)、結婚を決める。

 そうとも知らない嵩(北村匠海)の間に合わない感が切なかった。

 のぶが見合いしていると聞いて、嵩は卒業制作を描き上げたらのぶに気持ちを伝えようと決意し、張り切って最高傑作にすべく絵を描いていた。

「なんかだいぶ先の話にならん」という健太郎(高橋文哉)の心配が的中。

 時すでに遅く、その頃のぶは……。

 昭和14(1939)年12月。

 嵩は製薬会社に就職も決まっていた。柳井家の面々はそれを手紙で読み、少しでも寛の役に立ちたいと思ったのかもしれないと想像する。

 嵩が主人公ではないとはいえ、就職が決まったエピソードなども描いてほしかった気がする。

 モデルが『アンパンマン』の生みの親・やなせたかしだと思うと、どうしても嵩が気にかかるのだが、このドラマはあくまで、やなせたかしの妻・暢をモデルにしたのぶが主人公なのである。