加えて現行の料金制度でも「100km超で25%、200km超で30%の引き下げ率」導入されている「長距離低減」は内容が拡充され、「400km超で40%、600km超で45%、800km超で50%」となり、長距離利用での通行料金負担減を図ることになっています。

「どう考えても改悪」「トラック運転手の負担激増」ETC深夜割引の見直し、問題点と再延期のワケは?現在は走行時間が割引適用時間帯に少しでもかかれば、全走行が割引の対象となる。しかし見直し後は「割引適用時間帯の走行分のみ」について割引が適用される(出典:NEXCO東日本) 拡大画像表示

還元方式の変更で生じる複雑性

 一方、ETC深夜割引における割引は、これまでは通行料金から即時値引きされ、たとえば通常のETC料金が1000円であれば、3割分引かれた700円が実際の通行料金になっていました。

 しかし見直し後は単純な値引きではなく、「ETCマイレージサービス」(一般ドライバー向け)もしくは「ETCコーポレートカード」(運送事業者など大口事業者向け)への後日還元となります。ETCマイレージサービスはそもそも、高速道路の利用ごとに貯まるポイントが一定数に達すると「無料走行分(還元額)」として還元され、以降の高速道路利用時の料金支払いに使える仕組みです。

 今回のETC深夜割引の見直しでは、その割引分も、このETCマイレージサービスの無料通行分として還元されます。そのため割引を受けるには、ETCマイレージサービスへの登録が不可欠となります。また割引分に当たる還元額が実際に使えるのは「次に高速道路を走ったとき」となるため、いったんは割引前の通行料金全額を支払う必要があります。

「どう考えても改悪」「トラック運転手の負担激増」ETC深夜割引の見直し、問題点と再延期のワケは?現在は通行料金にそのまま割引が適用され、出口料金所では割引適用後の料金が課金されるが、見直し後はいったん通常料金を課金し、割引分はETCマイレージサービスでの「無料通行分」として還元される(出典:NEXCO東日本/中日本/西日本) 拡大画像表示