そのため、多くのトラックがやむを得ず東京料金所手前の路肩での時間調整を選択し、路肩に停めることができなかったドライバーが本線上で滞留することになってしまうのです。
当然のことながら、高速道路上では本線上の停車はもちろん、事故や故障などやむを得ない場合を除き、路肩での駐停車も禁止されています。今回のETC深夜割引の見直しは、国土交通省とNEXCO各社との検討により「“午前0時待ち”をしても割引は適用されない」という仕組みとし、こうした恒常化した違法行為に対策するために導入が進められたのです。
新制度の仕組み~「時間」と「距離」の両面で管理
では、その見直しの中身は具体的にはどういったものなのでしょうか。
まず「午前0時から午前4時」となっている割引適用時間帯が「午後10時から午前7時」へと拡大されます。その一方で、現行の制度での「1分でも割引適用時間帯を走行すれば、全走行分に割引が適用される」という仕組みが、「割引適用時間帯の走行分のみ割引が適用される」という仕組みに改められます。
そして現状の「通行料金からそのまま割引」という仕組みも、変更されます。現行のETC深夜割引では、料金所の通過時刻だけで、適用の可否を判定していました。しかし見直しでは、高速道路内にあらたに設置されたETC無線通信アンテナが各車両ごとの通過時刻を収集し、「割引適用時間内に何km走ったのか」を算出し、その距離に応じて割引額を決定する方式に改められます。