カタリーナ「それは、言い出せない心理的な負担があったからじゃない?退職代行を利用するのは、ハラスメント体質の職場環境や引き留めが予想される場合、人間関係にトラブルが生じている場合など、退職を申し出ることへのハードルが高くて自分では言えないと感じる人たちが多いと言われているわ」

金原「そんな……私に問題があるとでも?」

カタリーナ「そうは言っていないわ。いろいろと悩みを抱えてメンタルが弱ってくると、職場に行くのも怖くなる…みたいな心理状態になることもあるかもしれない。それに、時間や手間をかけたくない、面倒を避けたい、これ以上出社したくない、っていう人もいるでしょう。そうした様々な問題を引き受けてもらえるなら、退職代行を利用したいと思う人もいるんじゃない?」

退職代行サービスを利用するデメリット

金原「だからって……。正直、退職代行を通して一方的に辞めた人に対して、会社側からすれば良い感情は持てませんよ。退職代行を使うデメリットもあるんじゃないですか?」

カタリーナ「まぁ、会社との関係が悪化することはあるかもしれないわね。場合によっては転職活動への影響が懸念されることもあるし。そもそも退職代行を利用するには数万円程度の経済的負担もかかってくるし、一般の民間業者に依頼した場合、残業代や年次有給休暇などの交渉はできないわ」

金原「私だったら、嫌だと思っても自分で退職届を出しますけどね」

カタリーナ「一般的な就業規則には、1カ月前の申出など規定されていることが多いけれど、民法では期間の定めのない労働契約の場合、退職を申し入れてから2週間経過すれば、使用者の承諾がなくても退職できることになっているの」

金原「そうなんですか」

カタリーナ「退職を伝えるのは、誰だって勇気が要ると思うわ。それでも自分で意思を伝えることや交渉をすることは、これからのキャリアにとって良い経験になると思うの。そうした貴重な機会を手放してしまうのは、自己解決スキルも育たないし、もったいない気もするわ」