シューティング・ゲームが得意な人なら楽勝?
自己認知を高める方法
最も直接的な方法は、周りから率直なフィードバックをもらうことです。「あなたはこういう人だよね」と指摘してもらうことで、自分では見えない部分に気づくことができます。そのためには、フィードバックをもらえるような他者との関係性を意識的に構築することが重要です。
また、自分自身がアンコンシャス・バイアスを持っていないかを常に考えながら生活することも、自己認知を高める有効な方法です。例えば、ある状況で自分がどう感じ、どう行動したかを第三者の視点から振り返ってみるといった訓練が役立ちます。
実は、これは、ゲームの視点に例えると分かりやすいかもしれません。FPS(一人称視点、ファーストパーソン・シューティング・ゲーム)というのは自分の目線でしか見ていないのに対し、TPS(三人称視点、サードパーソン・シューティング・ゲーム)※1 は自分の後ろから自分を見る視点です。
この「自分を後ろから見る」視点を頭の中で持てるようになると、自分の行動や発言がどう見えるかをリアルタイムで認識しやすくなります。

現代のゲームではこの視点を自由に切り替えることができますが、実生活でも同様に視点を切り替える訓練ができます。自分が今この場でどう振る舞っているか、周りにどう見えているかを想像することで、「場の空気」を感じ取りやすくなります(もしかするとこの種のゲームを頻繁にプレイしている人は、日常生活での自分の視点の切り替えに応用できるのかもしれません)。
また、振り返り(リフレクション)を習慣化することも重要です。会議や重要な場面の後で「あの時、自分はどう振る舞っていただろうか」と三人称視点で振り返ることで、自己認知を高めることができます。リフレクションとは単なる反省ではなく、自分の行動や思考を客観的に観察し、分析する過程です。これに他人からのフィードバックを組み合わせることで、より効果的に自己認知を高めることができます。