ビッグプランはどうせ選択しないプラン

「そこまでやるの?」
 と思う人もいるかもしれないが、「そこまでやるの?」と言われても、かける時間は1~2時間程度だ。
 実際に図書館や業者を訪ねて調べ物をしたり、パンフレットを手に入れてもいい。
 ビッグプランはどうせ選択しないプランだ。
 そのために1週間も2週間も時間をかける必要はない。
 しかし、少しは時間をかける必要はある。
 ビッグプランを糸口にいろいろな情報を引き寄せ、このようなことを次々とイメージする。どんなに夢想してもかまわない(具体的なイメージトレーニングの事例は『絶対達成する決断力のつけ方』で確認いただきたい)。

 現実的なプランだと葛藤を覚えるものだが、ビッグプランはあり得ないからこそ楽しみながら想像できる。
「選択しないようなプランなら考えてもしかたがない」とか、「想像しようとしても想像力がないので無理です」と言う人がいる。
しかし、これは完全な勘違いだ。
「想像できない」と言う人のほとんどは、「想像しよう」という「決断」ができないだけだ。チャレンジしていない。
 つまり、「想像力」がないのではなく、「決断力」がないということだ。

 想像しようとしてもイメージが膨らまないのではなく、そもそもイメージしようとしていないだけなのだから。
 ビッグプランを設定し、それを選択したときにどのような体験をするのか。
 それを想像してみようという決断さえもできないなら、目標を「絶対達成」しようという決断などできるはずがない。
 できない理由などないので、やってみよう。

 このビッグプランを選択した場合の体験を十分に味わうと、ほとんどの人は笑みがこぼれてくることだろう。

「こんなことは現実的ではないけれど、できたら確かにいいだろうね」
「あるはずがないけど、きっと楽しいに違いない。達成感があるだろうなぁ」
 というような、ジワーッと心が温まるような生理的反応があれば成功だ。
 どの程度ビッグプランに熱中できるか、我を忘れるほどにイメージできるかが成功のカギだ。
 そしてそのままの感覚を抱いたまま寝る。

「朝の三択」前夜に行うイメトレの方法

 ビッグプランのイメージトレーニングは、必ず「朝の三択」を実施する前夜にしてほしい。
 もしその夜に飲み会があったり、残業で忙しくなるとわかっているのであれば、そういう日は避けるべきだ。ここはそれなりの時間をかけ、集中する必要があるからである。
 そうしていつもより1時間早く寝よう。

「朝の三択」は、たしかに手軽にできる決断セレモニーだ。
 しかし「儀式」である以上、普段の日常とは異なるエッセンスを加える必要がある。
 特別感を演出するため、そして心も体も健全であったほうが前向きな決断ができるのだ。そのために1時間早く寝る。
 毎晩12時に寝ているのであれば、11時に。11時に寝ているのであれば10時だ。
 一切のノイズをシャットアウトした状態で床に就いたほうがいいので、テレビを観たり、メールチェックすることなく、イメトレをしながらお風呂に入り、歯を磨き、そのまま布団をかぶろう。
 睡眠不足だったり、体調不良であれば、当然「感情系」優位になってしまう可能性が高まる。
 イライラ感が前面に出てしまったら前向きな意思決定がしにくくなるので、体調管理には注意しよう。
 場合によっては、体調が戻るまで「朝の三択」は先送りしてもらいたい。

 朝はいつもより1時間はやく起床する。
 毎朝7時に起きているのであれば6時。6時にいつも目覚めるのであれば5時に起きる。できれば、日が昇る前をお勧めする。
 いつもより早く起きるので、かなり新鮮な気持ちになると思う。屋外から押し入ってくる雑音や喧騒もない、凛とした空気が室内に漂う中で「朝の三択」を実施するのだ。

 ストレス耐性が一番高い時間帯は、朝起きてから20分後といわれている。
 したがって、起床してから顔を洗ったり歯を磨いたりし、身支度をしたら、もう「朝の三択」に入る。
 前日に行った「ビッグプランのイメトレ」と比べて「朝の三択」にかける時間は極めて短い。「2分」で決断する。これは本書でも紹介している「インタイム」という、脳の基本回転数をアップさせるためのテクニックだ。
「インタイム」を使って集中して実施しよう。
 もちろん、一切のノイズを除去する。
 家族が近くにいるのであれば、そのシチュエーションは避けてほしい。
 ひとりになる空間を見つけることが大事だ。
 もし家の中での実施が難しいなら、近所の喫茶店やカフェでもいい。雑音はあるだろうが、家族など近しい人のそばで行うよりはいいだろう。
 メールや新聞のチェック、ウェブ閲覧も一切やらない。携帯電話のスイッチは、「朝の三択」が終了してからオンにしてほしい。