「退屈な日々」が最高に幸せな理由とは?
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【精神科医が教える】本当に毎日が充実している人の共通点とは?Photo: Adobe Stock

「つまらない日々」こそが平和の証

今日は、「平和って実はつまらないものなんですよ」というテーマでお話ししたいと思います。

何気ない日々を「退屈だな」「代わり映えしないな」と感じることがありますよね。でも、そう思えること自体が、実はとても幸せなことなのです。

やることがなくてネットサーフィンしたり、夜更かししたり、何となく日々を過ごしている時間。それこそが「平和の象徴」なのだと、私は思います。

苦しかった時期を越えて気づいたこと

私自身、30代の頃に個人的な「戦争時代」のような大変な時期を経験しました。

そのときに、かつての「退屈だな」と思っていた日常が、どれだけありがたいものだったかを痛感しました。

人はつらい状況に直面して初めて、かつての穏やかな日々の価値に気づくものなのかもしれません。

平和だからこそ、自分の健康に向き合える

戦争や混乱が起きている状況では、自分の健康や日々の快適さに意識を向ける余裕などありません。

でも今、私たちは「よく食べて、よく眠って、健康を保つ」という当たり前のことに集中できています。

それは、守られた環境にいるからこそできる贅沢なことなのです。

「つまらなさ」に感謝する

ただ、人はどうしても日常の平和に慣れてしまうと、「退屈だな」と感じ、満足できなくなってしまうことがあります。

そうして、また何か動きが起きて、日常が崩れていく――そんな繰り返しがあるのかもしれません。

でもだからこそ、今ある「ありきたりな日常」に感謝する気持ちが大切なのです。

寝る場所があって、文化的な生活が営める。それだけで、本当にありがたいことなのだと改めて思います。

何げない日々を、意識的に大切にする

つまらない毎日こそが、幸せであり、尊いものなのだという意識を持つだけで、日々の過ごし方が変わってきます。

私はよく「今この時間を大切にしよう」と言いますが、それはまさに「平凡で退屈な日々を、ありがたいと思う」ことに他なりません。

だからこそ、ありきたりの毎日を当たり前と思わず、意識して受け止める。それが、日々を丁寧に生きるということなのではないかと思います。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。