参院選で「バラマキ」レッテル貼り合う与野党、物価高対策の構造問題を論じない“政治ショー”Photo:EPA=JIJI

物価高対策、与党は現金給付
野党は消費税減税中心の構図だが

 今回の参議院選挙は、世論調査などでは与党の苦戦が伝えられているが、安全保障や日米・日中関係、グローバル化への対応、大きな国家か小さな国家かなど、国家観・思想の違いがはっきり出そうな争点は浮上しておらず、当面の物価高にどう対応するかという短期の政策に注目が集まっている。

 自民、公明の与党は現金給付を掲げ、野党は「消費税食料品ゼロ」や「消費税率5%」などの消費税減税や「廃止」といった減税を掲げて対峙(たいじ)する構図だ。だが野党の中にも給付金とセットにした公約を掲げる党もあり、与党側も、ガソリン税の暫定税率廃止を公明党が公約に掲げており、野党が給付金に消極的で、与党は税制に手を付けようとしないという単純な構図ではない。

 だが、各党は互いを「バラマキ」政策と批判し合っている。そもそも、選挙になるとよく使われる「バラマキ」とは何を意味するのだろうか。