上司写真はイメージです Photo:PIXTA

上司には、部下に厳しい指摘をしなければならない場面もあります。しかしながら、部下のためを思った指摘をありがたく受け取ってもらえる人と、その内容が全く響かない人がいます。この違いはどんなところにあるのでしょうか。指摘する際に気を付けたいポイントとは。(ギックス共同創業者 田中耕比古)

アドバイスが有難がられる人と
「何様だよ」と思われる人の違いとは?

 ある人が言えば、「ありがとうございます、助かります」と返されるのに、別の人が言えば、「何様なの?」「また始まったよ……」といった空気が漂う――。

 同じように“指摘”や“アドバイス”をしているのに、なぜか相手の反応が異なってしまう。
そんなこと、ありませんか?

 指摘している本人は、特に悪気があるわけではなく、また、指摘の内容もさほど変わらないはずなのに、「誰が言っている」のかによって、相手の態度が大きく変化してしまう。

 マネジャーとして、チームの成長を促進したり、また、間違った物事に対して軌道修正をはかりたかったりするときに、この“伝わり方の差”は見過ごせない問題です。

 誰かに何かを指摘するとき、つい「言い方」ばかりに意識を向けてしまいがちです。

 もちろん、言葉の選び方やトーンも大事な要素ではあります。

 ですが、それ以上に大切なのは、その人と指摘する相手(一般的には部下)とのあいだにどんな関係性が築かれているか、という点です。