日本人で英語が話せる人は何が違うかというと、「英語でコミュニケーションするのに本当に必要な850語を使えている」に尽きます。
イギリスの哲学者で言語学者のチャールズ・K・オグデン氏は、「850語で日常会話の大半はできてしまう」と説きました(「The ABC of Basic English」1932年)。人間の基本的な行動や感覚、例えば、「見る」「行く」「欲しい」「好き」「食べる」「使う」などを表現するのに、実はたった850語でカバーできるというのです。
この理論が実践されているのが、無料のオンライン百科事典「ウィキペディア」です。日本ではあまり知られていませんが、ウィキペディアには通常版(英語ネイティブ向け)とシンプル英語版(英語を母語としない人向け)の2パターンがあります。百科事典内の各項目の内容は一緒ですが、シンプル版は850語をベースに説明しています。使われている言葉は極限までシンプルかつ文法も平易なので、非ネイティブでも分かるのです。
日本の英語教育では中学3年間で約1800語を学びます。つまり、たいていの日本人は日常会話程度の英語の知識は身に付いているはずです。
にもかかわらず、なぜ日本人は英語が苦手なのでしょうか?それは、英語の核にあたる850語を使った、話すためのコツやトレーニングを知らないからです。
では、それは何かというと、難解な文法や大量の語彙に頼らず、基本の850語+前置詞+動詞だけで、話す力を自然に育てていく方法です。