「3×8=24」がスッと出てくるように、「I have a cold」「She is at the office」といった基本文が反射的に出てくるようになれば、それだけで会話が成立します。英会話上達で目指すべきゴールは、これくらいシンプルでいいと思うと気が楽になり、習得も早くなります。

 四則計算(+、-、×、÷)ができれば日常生活に困りませんよね。英語も同じで基本かつ最も重要なことさえ覚えてしまえば、応用はいくらでも可能です。ビジネス英語を身に付けたい人は、基本ができていれば、仕事で使う専門用語や表現を肉付けするだけで大丈夫。

 シンプル英語を樹木に例えるなら、「根」「幹」「枝」を、850語や前置詞や基本動詞を使いマスターするイメージです。しかし多くの日本人は「根」「幹」「枝」をマスターしていないのに「葉」を含めて散漫に勉強しています(葉の部分にかき乱されるせいで、ずっと話せません)。

「葉」はネイティブの領域です。ビジネス専門用語、流行語、略語、派生語、アメリカ英語とイギリス英語の違い、上流階級とそうではない層の英語の違いなど、身に付けようと思うと果てしなく勉強が続くことになります。ネイティブだってそれら全てを身に付けている人などいません。

 シンプルな英語が話せるようになれば、英会話の勉強はとりあえず卒業、ゴールと考えていいのです。英語を母語としない日本人は、シンプルな英語をマスターしたら、後は自信を持って外国人とコミュニケーションするスキルを磨くことをおすすめします。