だからこそ、国民の血税を食らっているという「不良外国人」や日本を貶める反日勢力に対して「あんま調子に乗ってんじゃねえぞ、オラッ!」と反撃を開始した神谷代表率いる参政党メンバーを「救世主」のように捉えているのだ。

 ちなみに、この「強烈な被害者意識」が大躍進のエンジンにもなった。参政党支持者の多くはもともと既存の日本システム、既存のマスコミよって自分たちは虐げられていると思っているので、今さらメディアやアンチの人々から「ナチス」だとか「排外主義」だなんだと叩かれたところで蚊に刺されたようなものなのだ。

 むしろ、叩かれることで自分たちの正しさを確信する。選挙終盤、参政党候補者の応援に来ていた50歳の男性は私にこんなことを熱く語った。

「メディアの人なら参政党の関係者や支持者のアカウントがどんどんバンされているのをちゃんと報じてくださいよ。それこそこの政党が正しいことを主張している証拠ですよ」

 これは心理学でいうところの「確証バイアス」というものだ。批判をされたことによって、「こんなに反対されるのは本当のことを言っているからだ」という思いを強くするのだ。

 政治運動をしている人たちがもっとも恐れるのは「無視」だ。しかし、今回の選挙で参政党候補者たちはそんな心配はいらなかった。「日本人ファースト」というスローガンもあって、メディアもアンチも批判を強めた。そうなると、確証バイアスで党員や支持者の結束が強まる。無党派層も「そんなにボロカスに叩かれるなんてどんなことを主張しているんだ?」と好奇心が刺激された。

 選挙の終わりに神谷代表が「アンチのみなさんありがとう!」と叫んだが、これは正しい。参政党を排外主義、危険な政党だと一生懸命活動をしていた方たちにこんなことを告げるのはなんとも酷な話だが、実はここまで参政党を強くした「陰の功労者」はメディアとアンチなのだ。

 さて、このように参政党躍進というものにが実は日本人の「強烈な被害者意識」がベースにあるということがわかっていただけだと思うが、実はこれこそが筆者がこの現象を「歴史の必然」だと考える理由だ。