ローソンのMサイズだけ1ml単位で飛び抜けて高すぎる!一体なぜ?

 実測したデータを横並びで比較すると、いくつかの興味深い事実が浮かび上がる。

 純粋に量あたりの単価、つまりコストパフォーマンスだけを追求するのであれば、最適解はローソンのメガサイズ(1.42円/g)である。次いでセブンのレギュラーサイズ(1.45円/g)が続く。

 一方で、ファミマの価格設定は、SサイズからLサイズにかけて単価が1.65円、1.64円、1.63円と、ほとんど変わらない。サイズが大きくなるにつれてわずかに割安になるという、消費者の素朴な期待に応える、極めて穏当で分かりやすい体系だ。

 反対に、ローソンのSサイズ(約1.80円/g)、メガサイズ(1.42円/g)とお手頃の値段設定であるのに、Mサイズ(約2.14円/g)は、飛び抜けて高い。

 謎なのは、セブンとローソンの価格設定である。ファミマの安定した単価体系と比較すると、両社のそれは異様とも言える構造を持つ。サイズ選択によって、量あたりの単価が大きく変動するのだ。

 セブンはレギュラーサイズからラージサイズに移行する際に単価が16%も上昇する。ローソンに至っては、SサイズからMサイズにすると単価が1.80円から2.14円へと約19%も急騰し、Mサイズからメガサイズでは逆に1.42円へと34%も急落するという、極めて不安定な価格曲線を描く。

 1ml当たりの料金が2円を超えるのはローソンのMサイズだけだ。あまりに突出した割高感には、正直なところ筆者は怒りすら感じてしまった。一体、どのような理由があれば、中間サイズの商品をこれほどまでに非効率な価格で提供することが正当化されるのだろうか。

 この不可解な価格設定の謎を解き明かす鍵は、経済学の分野、特に産業組織論における価格戦略の研究にある。