例えば先日、僕はすれ違った小学生の集団から「げ、あそこにウーバーいるぞ」「どこどこ、うわっ、本当にいる」「暑いのに大変そぉ」などと言われた。まるで珍しい動物でも見るかのような言葉は、あまり気持ちのいいものには感じなかった。
他にも、こんなエピソードがある。
その日、僕はウーバーのバッグを背負い、駅前の歩道を歩いていた。ある瞬間、「やべっ!」という声と共に、背中に衝撃が走った。
配達用バックを見ると態度が変わる人も…
筆者が私生活でいること
慌てて後ろを振り返ると、自転車にまたがった男子高校生2名が立っていた。どうやらスマホに夢中で、前を歩く僕の存在に気が付かず、後ろから衝突したらしい。ぶつかる直前にブレーキを利かせたようで、当てられた僕にそれほど痛みはなかったが……。
高校生A「怪我ないっすか?」
著 者 「大丈夫だよ」
高校生A「そっすか」
高校生B「お兄さん今ウーバー中?」
著 者 「え、そうだけど」
高校生B「仕事大変そうだね(笑)」
著 者 「………」
高校生B「まあ、頑張れよ(笑)。じゃあな!」
著 者 「大丈夫だよ」
高校生A「そっすか」
高校生B「お兄さん今ウーバー中?」
著 者 「え、そうだけど」
高校生B「仕事大変そうだね(笑)」
著 者 「………」
高校生B「まあ、頑張れよ(笑)。じゃあな!」
謝罪の言葉も反省の態度もないまま、ケラケラと笑いながら立ち去っていく彼らの姿を見たとき、ウーバーの社会的評価がいかに低いかを痛感させられた。
このような経緯もあり、僕はウーバーで働くことに劣等感や羞恥心を抱いている。
配達員であることを悟られないため、僕は仕事帰りにスーパーなどへ立ち寄る際、基本的に配達用バッグを店内に持ち込まない(自転車の荷台に置いていく)。バッグを背負った状態だと店内で白い目を向けられたり、店員さんの接客態度にも変化があると感じるからだ。
しかし繰り返しになるが、思わず笑顔がこぼれてしまうやり取りを、これまでに僕は何度も何度も何度も、ウーバーの仕事で経験してきた。ドンヨリした感情や空気感なんてなんのその。劣等感や羞恥心よりも、満足感や幸福感が上回っている(もしも過半数を取れなければ政権交代。ウーバーの仕事を辞めているだろう)。
特に飲食店から言われる「あの言葉」は、僕たちウーバー配達員にとって最高の報酬だ。