バブル期並みの人手不足は
「仕事の楽しさ」を再認識するチャンスか
司法の力を借りて、最終的に解雇は撤回されたが……。一方的とはいえ社会人失格の烙印を押されたことに、なんだかんだで僕の心は傷ついていた。だからこそと言うべきか、僕はウーバーの仕事を通じて「働くことの楽しさ」「誰かに必要とされる喜び」について思い出すことができた。
今振り返ると、会社員として働いていた頃の僕は「仕事=お金を稼ぐための手段」と割り切り過ぎていたのかもしれない。働くことで得られる喜びや充実感、やりがいに対する解像度も低かった。このような僕の今風な姿勢が会社(昭和の企業戦士の方々)と衝突した原因の一つだったように思う(※もちろんだからと言って違法労働を肯定する気はない。不当解雇なんてもってのほかだ)。
現在社会では「人手不足の問題」が深刻になっている。内閣府の公表している「令和6年度 年次経済財政報告」によると、企業の人手不足感は非製造業ではバブル期並みとなるなど、歴史的水準に高まっている。人手不足に対する対応策として、従業員の待遇改善をする企業の割合も急増するなど、企業間の人材獲得競争が激化している。ウーバー配達員の僕に声がかかるのは、おそらくこういった社会的背景も影響しているのだろう。

今僕はウーバー配達員ライターとして働いている。自分のことを使ってくれる関係者の方々への感謝の気持ちを胸に、これからも読者の方に「笑顔」をお届けできるよう努力を続けていきたい。