夢広がる広々フリースペース
全席快適、まさに大人の最上ワゴン
エステートのボディスタイルは、もともとリフトアップしたSUVスタイルである現行クラウン・クロスオーバーをワゴン化したという成り立ち。ボディサイズは4930×1880×1625mm。車高はクロスオーバー比で85mm高く、リアのオーバーハングを伸ばしたシルエットは伸びやか。国内外のライバル、たとえばメルセデス・ベンツのC/EオールテレインのようにワゴンをSUVテイストに仕立てたクルマとは、アプローチの順番が逆。とはいえ結果的には似たパッケージングとなっている。
魅力はテールゲートを開けてリアシートを倒すと出現するフリースペースにある。奥行きが2mもあるフラットな自由空間は、インパクトがある。ラゲッジフロアにはフロントシートとの隙間を埋めるための拡張ボードを備え、タイヤハウス後方空間も横幅ギリギリめいっぱいまで広げられている。
エステートの広々としたスペースは眺めるだけで夢が広がる。アウトドアギアなど大切な趣味の道具を載せて移動を楽しんだり、旅先でくつろぐ空間として活用するのに最適である。しかも細部まで上質。これほどプレミアム感が感じられるワゴンはなかなかない。
エステートは、現行クラウンに共通する“全席特等席”の思想を荷室にまで拡張しており、カーペットには毛並みの細い材質を採用して心地よい触感を実現。機能面でも、HEVとPHEVのどちらも1500Wまで使えるAC100V電源が配されているほか、引き出し式のデッキチェアやデッキテーブルなど気の利いたアイテムが設けられている。オプションで選べる前席から後席までつながる大きなパノラマルーフが、絶大な開放感を与えくれるのも“全席特等席”のこだわりのひとつに違いない。
ドライブフィールはPHEVとHEVで味付けが異なる。印象としてはHEVが軽快、PHEVは上質でしなやかな仕上がりとなっていた。開発者に聞くと「21インチ大径幅広タイヤを履くのはクロスオーバーやスポーツと同じだが、重心高が高くなることやフル乗車して重い荷物を載せることも考慮しなければならず、足回りの開発は難しかった」という。